高齢者の高血圧
高齢者の60%以上が高血圧をわずらっているといわれています。
高齢者は加齢と共に、血管の伸縮性が低下し血流が悪くなり毛細血管が動脈硬化を起こしやすくなります。また、心臓や腎臓の機能も低下するため、収縮期血圧が上がり、逆に拡張期血圧は下がるといった『収縮期血圧と拡張期血圧の差が大きい高血圧』になり、心臓や血管に負担をかけてしまいます。その結果、高齢者の高血圧は合併症である心臓病や脳卒中を引き起こしやすいのです。
また、高齢者の高血圧は、食事や生活習慣などが原因と考えられる一次性高血圧ではなく、腎臓病や内分泌系異常など病気が原因の二次性高血圧の患者が多くみられます。
高齢者の高血圧治療は、投薬と生活習慣改善でゆっくりと行われていきます。急激に血圧を下げてしまうと、高齢者はめまいや立ちくらみなどを引き起こしやすいのです。
自覚症状が殆どないので、放置されがちな高血圧ですが、高齢者は身体機能が衰えています。合併症の発作が起きたときには、手遅れになりかねませんので早い治療と生活改善が必要です。
食事は、塩分とアルコールを控え、生活面は禁煙をして、体がだるいからと座りっぱなし寝っぱなしではなく散歩などをして体を動かすようにしましょう。少しの生活改善だけでも、高血圧は改善されていきます。
高齢者の高血圧に限らず、高血圧は重大な合併症を引き起こす重大な原因です。体の具合が悪くなってから、健康について考えるのではなく、健康なうちに今後のことを考えていきましょう。